(4)GPS

トモカのメル恋

GPSをチェックしていたと

私に告げてから

ショーの態度は 開き直った

みたいだった。

 

それまでは さりげなく

「今日は 何をするの?」

「サーコと どこで会うの?」
と 朝食の時に聞いていたけど…

 

私が GPSで ショーが

私の行動をチェックしてるのを

知ったときに

「ずっと 私を監視してたの?」

と 思わず聞いてしまった。

 

すると ショーは

「僕は モカが大好きなんだ

モカが 一番大切なんだ

だから モカが いつも

どこにいて 何をしてるか

知りたいだけ。

それに もし モカに 何かが

起きたら すぐに助けに行きたい」

と 真顔で言った。

 

確かに ショーは

いつも 私のことを考えてくれる。

 

私が何かしたいことがあると言ったら

絶対に ダメとは言わない。

 

ただ 何とかして 自分も

私に合わせようとしてくれる。

 

でも… でも… でも…

それを 窮屈だと思うのは

私のわがままなんだろうか?

 

エステに行きたいと言ったら

「いいよ。 モカの好きなところに

行っておいで。

リラックスして 楽しんでおいで」

と言って くれる。

 

ただ どこのエステに行くのか

予約の時間と施術時間を

ショーに言わないといけないけれど…

 

友達とのランチも

お稽古事も 何にも言わない。

 

「モカのしたいこと すればいいよ。

僕が仕事に行ってる間は

寂しい思いさせているんだから…」

と 人が聞いたらうらやましいと思うだろう。

 

「僕が家に帰ったときに

モカが 幸せいっぱいの微笑みで

おかえりって 言ってくれるのが

最高の幸せなんだ。  そして

美味しいご飯も作ってくれる。

モカ ありがとう」

 

パーフェクトな旦那様だった。

私は 何でも好きなことができる。

 

だけど…

ショーには 全部 報告しないといけない。

 

どこに行くのか

誰と会うのか

どれくらいの時間がかかるのか

 

何不自由のない生活を

与えてもらっているのに

窒息しそうになっていた。

 

自由に見えるけれど

私には 自由なんてなかった。

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