次の日も、やっぱり体がだるかった。
それに、なんだか熱っぽい。
真に連絡する気もせずに
リビングのソファに座っていた。
携帯が鳴った。
サーコからだ
「もしもし、モカ?元気?」
と、相変わらず早口で話す。
「元気って言いたいけど
体がだるいし、なんかムカムカする」
「え!それっておめでたじゃないの?」
そういえば、ずっと月のものがなかった。
でも、ピルをやめてから不規則で
あったりなかったりなので
気にしてなかった。
そのことをサーコに言うと
「でも 検査薬買ってきたら?
その可能性もあるでしょ」
「そうかも しれないね」
「また、ランチに行こうって
誘うつもりだったんだけど
検査の結果がわかってからの
ほうがいいよね。
早く買っておいでじゃあね」
自分の言うことだけ言って
サーコは電話を切った。
気が重かったけど薬局に向かった。
帰って来て、早速チェックした。
線が出た。
陽性。
お腹に赤ちゃんがいるかも…
すぐに産婦人科に行こうか?
いや
まずショーに報告したほうがいいかも。
どんなことでも、私が勝手に決めると
機嫌が悪くなる。
それに今日は出かける予定を
言ってなかった。
急に産婦人科なんて行ったら
予定外の外出を疑うだろう。
でも、もし盗聴してたら
今のサーコとの会話を
聞いているかもしれない。
そしたら産婦人科に行く理由も
わかるはずだけど…
思いもかけない
妊娠検査薬の結果に動揺していた。
早く病院に行きたい気持ちと
ショーに報告するのが先だという気持ちが
入り乱れた。
早いほうがいいだろうけど
ショーに報告して
明日、ショーがすすめる病院に行く。
それが一番だという気がしてきた。
ショーにはお腹の子供を
無条件に祝福してほしかった。
私が勝手に病院に行くことで
後々、嫌な思いをするくらいなら
1日待ったほうがいいだろう。
真にLINEすることを
すっかり忘れてしまっていた。