最終章 最後の言葉

トモカのメル恋

(あらた)からまだLINEは来ない。

いろんな思いが浮かんできた。

 

私はお腹の子供のことだけを考えよう。

この子を無事に産んで育て上げる。

そして、私も成長していく。

幸せな未来に向かって…

 

ショーにもはっきりと

私の理想とする家族のあり方を伝えよう。

問題を先延ばしにしないで

この子と一緒に進んでいこう。

家族は信じあって、支え合うべきだと

伝えよう。

 

私とこの子にとって

ショーは誰よりも

大切な人なのだから…

 

医者の予約は2時だったけれど

私は確信していた。

ここに新しい命が芽生えていることを…

 

(あらた)のことは気にはなるけど

もう私にできることはなにもない。

(あらた)からLINEがきたら

子供ができたことを伝えよう。

 

そして…

寂しい気もするけど

これでLINEのやり取りはおしまいに

するつもりだとはっきり言おう。

 

わかってもらえるか?

自分勝手だと罵られるか?

 

わからないけど

ここでいい人ぶって

ずっと(あらた)とコンタクトを取り続けても

何も得るものはない。

 

(あらた)の傷口をなめるような言葉で

慰めていてもきりがない。

彼が何かしない限り 

どうにもならないのだから…

そう思うと

自然と涙が出てきた。

その時 

(あらた)からのLINEが来た。

 

 

おはよう
僕のこと覚えていたんだ

 

 

この言葉をみたとき、もうダメだ

と思った。

どこか私を責めているような…

 

素直に反応できない。

1日連絡しないだけで 

忘れるはずはないだろうと言い返したい。

私にネガティブな感情しか与えない。

 

 

報告があるの

 

 

 

何?
いい話か?

 

 

 

赤ちゃんができた

 

 

 

マジ?

 

 

 

そう
自分でもびっくりしてる

 

 

 

おめでとう

 

 

 

ありがとう
それでね 
寂しいけど(あらた)とのLINE 
今日でおしまいにしたい

 

 

ちょっと唐突過ぎたかとも思ったが

ごちゃごちゃ言い訳を書いても

伝わらないだろうと思った。

 

(あらた)の言葉を待つ前にLINEを閉じた。

自分の決心が

鈍ってしまいそうだったから…

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