(14)いつもあなたがそばにいる…

トモカのメル恋

ある日の夕食に 天ぷらを作った。

衣が残るので 野菜を小さく切って

かき揚げをつくる。

これが次の日の私のランチ

かき揚げ丼になる。

天ぷらをインスタにアップした。

 

 

天ぷらおいしそうだ
店のランチにフライは
作っても
天ぷらはださないなぁ
今度、ダシてみようかな

 

 

 

かき揚げ作ってる時に
親指切った。゚(゚´ω`゚)゚。

 

 

 

えー!大丈夫?

 

 

 

大丈夫

 

 

 

でも、なぜ親指なの?

 

 

 

私 4本の指をそろえて
材料を押さえられないの
だから 親指でおさえてる

 

 

 

えー?
あぶないなぁ

 

 

 

大丈夫だよ
いつも、そうやって切ってるもん

 

 

 

きっと怖くて見てられない
指、切るぞ…って思うよ

 

 

 

何回か練習したんだけど
やっぱり ダメなの
にゃんこ手ができない(笑)

 

 

 

今度 教えてあげる
モカの後ろから手を取って
こういうふうに
するんだって…
 
その時に思わず抱きしめて
首筋にキスして
しまいそうだ 

 

 

ドキッとした。

(あらた)が私の後ろに立って…

私を抱きしめる…

 

 

そんなことをしたら
危ないよ

 

 

 

じゃあ、もう僕が切るよ
モカは座って
待ってたらいい

 

 

 

じっと待ってるの退屈

 

 

 

盛り付けすればいいよ

 

 

 

 

 

この時から料理をするときに

いつも(あらた)がいるような気がした。

 

私の後ろに立って

ほら、こうするんだよって

抱きしめてくれているような…

そんな感じがしていた。

 

危ないって言われたので

4本の指で押さえる練習を

してみたけれども

どうしても均等に力が入らない。

 

結局、また親指で抑える…

 

モカ、もういいから危ないって

僕が切るから… 

お皿持っておいで

 

(あらた)がいたらきっと

こんなことを言うんだろう

と思いながら材料を切っていた。

 

一人でキッチンに立っているのに

いつも(あらた)がそばにいる…

 

会ったこともない(あらた)

息づかいを感じているような

気がしていた。

 

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