(13)新しいルーティーン

トモカのメル恋

翌日からショーを送り出すと

インスタを開けて、Arata に

メッセージを送るようになった。

 

 

おはよう

 

 

このメッセージが

二人の一日の始まりになる。

 

ショーを送り出してすぐに

掃除、洗濯を手早く済ませて

お茶の支度をする。

 

そしてArataからのメッセージを

待っていた。

 

Arataがランチの仕込みを始める

10時ぐらいまでが二人の時間になる。

 

 

何してた?

 

 

 

待ってた

 

 

 

ごめん。
今日ちょっと遅かったね

 

 

 

いいのよ。 
忙しいんでしょ

 

 

まるでそこに 

Arataがいるみたいな感じになる。

 

こうして、午前中に1時間ほどと

午後Arataの店のランチが

終わってからの1時間ほど

チャットのやりとりを 

毎日するようになった。

 

ずっと気になっていたことを

聞いてみた。

 

 

どうして私をフォローしたの?

 

 

 

名前が気に入って

 

 

 

 

 

 

 

僕の店の名前なんだ。
MOKAって

 

 

 

ええ? そうなの?
Arataかと思ってた

 

 

 

それは僕の名前 
(あらた)って書くんだ

 

 

 

そうなんだ
でも、どうしてお店の名前
MOKAなの?

 

 

 

飼ってた犬の名前
コーヒー色で可愛かったんだ

 

 

 

私は犬か 笑

 

 

 

犬の名前をレストランにつけるか?

と思ったが、よっぽど思い入れが

あったのだろう。

 

私がひじき煮や、切り干し大根などの

乾物を使った作り置きのできるものと

鮭を焼いただけの簡単なランチを

アップした時に

 

 

こういうの、いいね

 

 

 

作りおきのものに
鮭を置いただけたよ

 

 

 

今、乾物戻して料理する人
いないよ

 

 

 

えー?
じゃあ どうしてるの?

 

 

 

みんな、買うんだよ

 

 

 

おいしくないやん

 

 

 

うん。だからこういう
家庭料理っていいなって思う。
もうずっと、一人だから…

 

 

 

一人って?

 

 

 

 

5年前に離婚したんだ

 

 

こんなふうに

少しずつ お互いの話をするように

なっていった。

 

(あらた)は5年前に離婚して 

今は一人暮らしをしている。

子供は一人いるけど

奥さんが引き取ったらしい。

 

私はショーと結婚したいきさつや

3年間、アメリカにいるときは

当たり前だと思っていた

ショーの行動が、実は異常なほどの

束縛の現れだと最近気づいた

と言うことをつらつらと話した。

 

誰にも言えない悩みを

聞いてもらえるだけで

嬉しかった。 

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