(12)相談

トモカのメル恋

思い切って Arataに

言うことにした

 

あなたとのチャット
とっても楽しいけど…
 
実は主人の束縛が
とっても酷くて…
 
主人は私のことを
とっても愛していて
大事に思っているから
心配なんだって言うけど
 
GPSで監視されてて
決まった場所にしか行けない
 
私が勝手に何かを
始めるのは気に入らない
 
だからもし
あなたとのチャットが
ばれたら…
 
スマホを毎日
チェックされることに
なりそう。
 
もっともっと
束縛されそう
 
どうしたらいいんだろう
 
やっぱりもう 
チャットはやめたほうが
いいのかもしれない
 

 

 

一気に書いてしまった。

送信しようか 迷ったけど…

目をつぶって送信した。

 

すぐにArataから返事がきた。

 

 

そうなんだ
モカも大変なんだね
 
投稿の写真見てると
幸せな奥様って
感じだったのに…
 
いろいろあるよね
実は僕だって…
 
まあ僕のことは
後回しにして…
チャットの履歴が
残らなければ
万が一見られても
大丈夫だよね
 
モカがインスタを始めたって
いうことは大丈夫なの?

 

 

 

大丈夫ではないかも…

でも投稿してるだけって
わかったら 
毎日チェックされるように
なるだけだと思う。
 
ただあなたとのチャットは
アウトだと思うの

 

 

 

それなら毎日お互いに
フォローを消して
また次の日フォローしなおしたら
チャットの履歴は消えるよ 

 

 

 

そうなの?

 

 

 

 

そうだよ。 だから 
やめなくても 大丈夫だよ。

 

 

やめなくていい、そう思うと 

言ってよかった

という気持ちでいっぱいになった。

 

返信を打つのも忘れて

ぼーっとしていた。

 

 

朝モカからチャット始めて。

ご主人が出勤してから…
そして夕方、お互いにフォローをやめる 

 

 

 

わかった

 

 

本当は二人のやりとりを

保存しておきたかったけど

欲張ってはいけない。

 

Arataが私のことをモカって呼び捨てに

していることにも気づかなかった。

 

Arata が僕だって…

と何か言いたそうだったことも

忘れてしまっていた。

 

それぐらい自分の世界を

諦めなくていいことが嬉しかった。

 

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