インスタを始めて一か月ほど
経った日曜日。
ショーがホームパーティを
開くと言い出した。
ちょっと前に買った
チーズフォンデュのセットを
お披露目したくて
仕方がないらしい。
自分なりのこだわりチーズと
こだわりのブレンド…
いろいろと説明してくれたけど
よくわからなかった。
いちいちチーズを擦らなくても
フードプロセッサーで
すれば簡単なのに…
って、思ったぐらいだ。
パーティではショーが
フォンデュの鍋奉行で
招待客にパンをチーズで絡めては
小皿にとって配っていた。
各自に金串を渡して
チーズが垂れたりしたら
慌ててモップを取り出して
拭いて回りそうだ。
そんなことにならないよう
使ったチーズは…とか
うんちくをたれながら
ゲストに配っていた。
ゲストの反応が良くて
みんなショーの話に
耳を傾け、美味しいと
絶賛してくれたので
ショーはご機嫌だった。
オードブルに
定番のクラッカーをだした。
クラッカーにアボカド、
クリームチーズ、チェダーチーズを
置いて、その上に彩を考えて
スモークサーモンや野菜をおいた。
カジュアルな立食にしたので
主食として細巻きのお寿司と
サンドイッチをつくっておいた。
暖かいものも欲しいかと思って
ローストした野菜も出した。
ショーがフォンデュに専念していて
ゲストと常に話していたので
気づかれることなく
うまい具合に写真を
撮ることができた。
次の日、ショーを送り出して
このパーティーの料理を
インスタにアップした。
その投稿を見てarataから
コメントが来た。
あぁ参加したい
ワイン片手に
クラッカーにアボカド
クラッカーにチーズ
想像するだけでワクワクする
パーティーだからと言って
こんなにたくさんの料理
一人で準備したの?
僕も参加したい
って、書いてあった。
ちょっとふざけて
いつでも待ってます
と、コメント返しをしたら
惚れてまうやろ
という返事が来た。
この言葉にちょっとドキッとして
思わずにんまりしてしまった。
これが私とarataの
チャットの始まりだった。