(62)腎臓結石

エリカの日常

1年ほど前に ずっと腰の調子が悪い

時期があった。 特に右側に

突っ張る感じがあった。

レントゲンを撮った結果

右の腎臓に 11㎜の石があることが

わかった。

 

オーストラリアは 基本的に医療費は

無料。 もちろん 仕事をしていると

給料から 健康保険料のようなものは

引かれているが Bulk Bill扱いの

医者に診てもらったり レントゲンや

血液検査の時に

お金を払わなくてもいい。

 

石が見つかって かかりつけ医が

専門医に 紹介状を書いて

診察の順番を 待つことになる。

病気によって ステージが決められて

いて 緊急のものはすぐに

順番が来るが そうでないものだと

10か月ぐらい待つことになる。

 

私も 10か月待って

大学病院の専門医に診てもらい

石を取るために ステントを入れて

1か月待って 石がステントの

真ん中に来た時に

取りだすことになった。

 

ステントを入れるのは

比較的簡単な施術で 日帰りだが

全身麻酔をするので 誰かが迎えに

来ないといけなかった。

この日 マークは私を病院に送った後

一人で何とか運転して帰ったが

パニックアタックを起こしたらしく

迎えに来るときは 近所のメアリーに

頼んで一緒に来てもらった。

 

麻酔が覚めた時 医者が

1か月ほどしたら 病院から手紙が

来て ステントを取り除く日を

伝えると言った。

 

「受付に 予約するの?」と

私が聞いたときに

「僕が コンピューターに

予約を入れる」 と 医者が答えた。

 

もう あれから 1か月経つのに

まだ 手紙は来ない。

 

ステントが入っている実感はないが

異物が体にずっと入っていて

大丈夫なのかと 心配になって

病院に電話した。

 

すると私の予約は入っていなかった。

 

やっぱり… オーストラリアでは

よくあることだ。

何かおかしいと思ったら

自分で確かめないと じっと

待っていても 何も解決しない。

 

受付の人が 空いている日を探して

2週間後に 手術の日が決まった。

 

前回で懲りたのか

私を送っていくときに

一緒に来てくれるように

メアリーに頼んだ。

 

気のいいメアリーは No problem.

と 快く引き受けてくれた。

 

オーストラリアでは 実際に

どこかを切るという手術でさえ

当日に病院に行く。

事前に 看護師から 絶食の時間を

言われ 消毒薬のしみ込んだ

スポンジを渡されて

シャワーを浴びてから

病院に来るように言われる。

 

この日は 9時に病院に着いた。

終わったら 病院から

マークに電話をすることになっている

ので メアリーと帰ってもらった。

 

時間通りに行っても

かなり待たされる。

2時間近く待ってやっと順番が来た。

 

麻酔をかけられる前に

「僕が 手術するからね」と

医者があいさつに来た。

 

大きな手術では ないので 当日まで

誰が担当するのかわからない。

 

麻酔から目が覚めたが なんだか

とっても気分が悪い。

そう 伝えると 「サンドイッチ

食べる? 気分が悪くても

食べると 治る人が多いわよ。」と

看護師が言った。

 

気分が悪くて 吐きそうなのに

食べる気なんてしないだろうと

思ったが とりあえず

持ってきてくれたサンドイッチを

無理やり口に入れた。

やっぱり 気分が悪くて

受け付けなかった。

後で聞いた話だが 手術の前は

絶食をさせられる。

多くのオージーは おなかが

空きすぎると気分が悪くなるそうだ。

だから サンドイッチを胃に

入れることによって

気分が良くなるらしい。

 

起き上がれないし

気分もすこぶる悪かった。

看護師が「今日は病院に泊まる?」と

聞いたので Yesと答えた。

 

家に帰ってから 何か起きたら

救急車を呼ぶか 救急の窓口に行って

順番待ちをしないといけない。

 

そんなことになったら困るので

病院に泊まるほうがいいと思った。

 

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